朝ドラ「ばけばけ」で登場する雨清水三之丞(演:板垣李光人)は、雨清水家の三男として描かれている登場人物です。
兄が家督を継ぐことになっているため、三之丞には特に大きな役割はなく、どこか家の中で居場所を失いがちな存在。
そのため、兄とは違う形で自由を求め、トキたちの仕事場に入り浸る姿が描かれます。
「一体、この三之丞って誰がモデルなんだろう?」と気になる人も多いはず。
調べてみると、モデルになっている実在する人物が2人いるのではないかと考えられました!
この2人はいずれも「ばけばけ」の主人公夫婦のモデルとなっている小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の重要な協力者であったことも注目ポイント。
こちらでは、三之丞のモデルとされる人物たちの背景をたっぷり紹介しつつ、劇中でのトキやヘブンとの関係性にも迫っていきます。
雨清水三之丞のモデルは誰?名前のヒントから考察!
三之丞のモデルと考えられるのが、三成重敬(みなり しげたか)と雨森信成(あまもり のぶしげ)です。
まず、名前の「雨清水三之丞」という響きから、「三成」と「雨森」という2人の人物が想起されます。
三成重敬は、明治〜昭和期にかけて活躍した歴史学者。東京帝国大学の史料編纂官として古文書の整理や調査に従事した人物です。
彼は小泉八雲と遠縁の関係にあり、八雲が亡くなった後は妻・節子を支える形で「思い出の記」の出版にも力を尽くしました。
一方、雨森信成は、宣教師の通訳や英語教育者として活躍した人物で、晩年は小泉八雲と非常に親しい関係を築いたことで知られています。
西欧文化を深く学んだ後に失望し、キリスト教を棄教したという異色の経歴を持ち、横浜でクリーニング業を営むなどユニークな人生を歩んでいました。
この2人に共通しているのは、小泉八雲の仕事や人生を裏で支える存在だったという点です。
つまり、「表舞台には立たないけれど、重要な貢献をしていた人物像」は、劇中での三之丞の立ち位置とも重なるような気がします。
家の中で目立つ役割を持たない三之丞が、別の場所で輝こうとする姿が、この史実をベースに描かれているのかもしれません!
雨清水三之丞のモデル1人目:三成重敬について
三成重敬(みなり しげたか)は、明治から昭和にかけて活躍した歴史学者で、東京帝国大学の史料編纂官として長く務めた人物です。
若い頃は郁文館を中退したあと、出版社の開拓社に入社し、その後に東京帝国大学文科大学の写字生として働き始めました。
ここから、彼の史料編纂に携わる長いキャリアが始まります。
大学の史料編纂掛では、「大日本古文書」の東寺文書の整理・編纂や、東山御文庫・醍醐寺文庫の史料調査といった膨大な仕事をこなし、歴史研究の基盤を支え続けました。
地道な作業が多いですが、学問にとってなくてはならない重要な仕事です。
その後も、史料編纂補助嘱託や史料編纂官補を歴任し、大正から昭和にかけて長年にわたり学界を支えました。
昭和12年には正式に史料編纂官に任命されますが、同年に退官。
その後も嘱託や事務補佐員として大学に関わり続け、昭和31年までの長きにわたって研究の最前線に立ち続けました。
また、三成は小泉八雲の遠縁にあたる人物でもあります。
八雲の没後には、その妻・節子が出版した「思い出の記」に資料を提供し、陰で支える役割を果たしました。
三成の学者としての誠実さと、家族を支える姿勢は、「ばけばけ」の三之丞にも反映されているのかも?
雨清水三之丞のモデル2人目:雨森信成について
雨森信成(あまもり のぶしげ)は、1858年生まれの人物で、もともとは横浜バンドと呼ばれる日本初期のプロテスタント系グループの一員でした。
若い頃から英語を学び、宣教師の通訳や伝道者として活動し、さらに英語教育者としても多くの人々に影響を与えています。
当時の日本にとって、西洋文化や宗教を伝える存在はとても貴重で、信成もその一翼を担ったのです。
アメリカへ留学し、その後ヨーロッパなど諸外国を巡ります。
しかし、現地で触れた西欧のキリスト教文明に失望し、やがてキリスト教を棄教するという大きな転機を迎えました。
信仰を捨てるという選択は非常に重く、同時に彼が抱えた葛藤や独自の価値観を物語っています。
晩年の雨森信成は、小泉八雲の親友として知られるようになります。
彼の人生経験や異文化に対する複雑な視点は、八雲に多くの刺激と影響を与えました。
また、1903年には横浜グランドホテル内でクリーニング業を営むなど、意外な一面も見せています。
型にはまらず、自由で挑戦的な人生を送った信成の姿は、八雲の人生観や作品にもどこか影を落としているように感じられます。
ドラマ「ばけばけ」に登場する三之丞のキャラクターの背景に繋がっているのかもしれません!
三成重敬は「学問と記録を守った支えの人」、雨森信成は「異文化と信仰に揺れながらも自由に生きた人」として、それぞれ八雲の人生に深く関わっています。
雨清水三之丞とトキやヘブンとの関係はどうなる?
劇中の三之丞は、トキの2歳下の弟的な存在として描かれています。
トキがしっかり者で周囲から頼りにされる存在であるのに対し、三之丞はどこか影の薄い三男。
「兄が家督を継ぐから自分には役割がない」と感じてしまい、自然と居場所を探すように動いていきます。
そしてよく入り浸るのが、トキたちが働く職場。
そこで兄の背中を見ながらも、「自分は兄のコピーではなく、別の生き方をしたい」という気持ちを育てていくのかも。
この辺りは、三成重敬や雨森信成が八雲を支えながらも、それぞれが独自の道を歩んでいた姿に重なるような気がします。
もうひとつ気になるのが、三之丞とヘブンの関係です。
ヘブンもまた、周囲から少し浮いた存在であり、「普通の居場所に収まらない人物」。
そのため、三之丞とは自然と親しみを感じる間柄になるのかも?
「家では認められない」「役割がない」という気持ちを抱える三之丞と、同じように枠から外れた存在のヘブン。
2人の交流は、互いの孤独を癒すような、静かなつながりとして描かれていくのかもしれません。
ヘブンとの関わりは、三之丞が「自分の居場所を見つける」ための重要なきっかけになるのではないでしょうか!
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まとめ
「ばけばけ」に登場する雨清水三之丞は、三成重敬や雨森信成といった実在の人物をモデルにしている可能性が高いキャラクターです。
家では大きな役割を与えられず、居場所を探す彼の姿は、裏方として八雲を支えた歴史上の人物たちと重なります。
また、トキとの関係では兄の影から抜け出そうとする姿が描かれ、ヘブンとの交流では同じ「居場所を求める者同士」として心を通わせていく流れが期待できます。
目立つ立場にはないけれど、確実に物語に深みを与えているのが三之丞。
今後、彼がどんな成長を見せ、どんな居場所を見つけていくのか――物語の中で要注目の存在です。