日本の映画「新幹線大爆破」が、あのキアヌ・リーブス主演の大ヒット映画「スピード」にすごくよく似ているため「スピードのパクリなんじゃないか?!」という声が上がることがあります。
でもパクリじゃなくてむしろスピードの元ネタとなっているようです。
そこで、その根拠となるエピソードや理由をご紹介します!
「新幹線大爆破」と「スピード」は、その緊張感あふれるストーリー展開や結末などがよく似ているため、比較されることがあります。
実は「スピード」の方が「新幹線大爆破」からインスピレーションを得て作られているからのようです。
こちらでは、両作品の共通点を探りつつ「新幹線大爆破」が「スピード」の元ネタとされる理由について詳しく探ってみました!
映画好きにとって気になるこの二つの名作の関係について、迫ります。
※根拠の説明部分にはネタバレとなるところがあるので、ご注意ください。
「新幹線大爆破」が映画スピードに似てるのはパクリじゃない!
2つの映画を比べるとどうしてもキアヌ・リーブス主演の「スピード」の方が「新幹線大爆破」よりも知名度が高いため、先に「スピード」の方を観た人が「新幹線大爆破」を後から観て『新幹線大爆破ってスピードのパクリじゃ・・?』と思ってしまうようです。
ですが・・
そもそも「スピード」よりも「新幹線大爆破」の方が、公開された年が先!
1994年に公開された「スピード」に対して「新幹線大爆破」が公開されたのは1975年のこと。
20年近くも先に新幹線大爆破は公開されているんです。
だから、後から公開されたスピードのストーリーをパクって新幹線大爆破を作ることはできません(笑)
なので「新幹線大爆破」は映画「スピード」のパクリではないと断言できます。
新幹線大爆破がスピードの元ネタと言われる根拠
むしろ「スピード」の方が「新幹線大爆破」を元ネタとしてインスピレーションを得て作ったと言われています。
その根拠として挙げられるのは映画の要の部分がそっくりだからです。
具体的には・・
- 「主人公たちが乗っている乗り物のスピードが落ちると爆発する」という設定が同じ
- 「主人公たちが犯人を騙すために、ニセの映像を用意してそれを見せる」というトリックが同じ
という部分。
実はその速度についてもそっくりで、スピードの中ではマイルでの表示となっているのですが換算すると約時速80kmになります。
新幹線大爆破の新幹線がちょうど時速80km以下になると爆発するような仕組みの爆弾が仕掛けられているストーリーなので、似てるというか同じです。
また、犯人を騙し爆発を防ぐために
- 新幹線大爆破ではテレビを利用して
- スピードではモニター画面を使って
嘘の映像を用意して流すというトリック(?)の部分も全く同じとなります。
そのため「スピード」の元ネタは「新幹線大爆破」と考えられているのですが・・
実は2つの作品の元ネタについてさらに詳しく調べてみると「暴走機関車」という作品の名前が出てくるのです。
新幹線大爆破とスピードの元々の元ネタは?
「新幹線大爆破」と「スピード」は、元々は名匠・黒澤明監督が原案脚本に関わっている映画「暴走機関車」という作品を元ネタとしているようなんです。
実際、「スピード」の脚本担当のグラハム・ヨスト氏は、映画「暴走機関車」の原案となっている黒澤明監督作成の脚本を読んで「スピード」のストーリーを思いついたと公表しています。
また「新幹線大爆破」の佐藤純弥監督も過去のインタビューの中で黒澤明監督のアイデアだけの「爆走列車」(のちの「爆走機関車」のこと)の台本を読んでいたと答えています。
黒澤明監督は「暴走機関車」の原案と脚本を書いたのみで自身で映画化はしていませんが、その後その原案脚本を元に1985年にアメリカで映画化されています。
なので、ヤン・デ・ボン監督の「スピード」と佐藤純弥監督の「新幹線大爆破」は、2つとも元ネタは黒澤明監督の原案脚本「爆走列車」と言えるというわけです。
ただ映画「暴走機関車」では
- 時速80km以下になると列車が爆発する
- ニセの映像を用意して犯人を騙す
といった設定やトリックは出てこないので、この辺りの部分については「新幹線大爆破」を元にして「スピード」を作ったと考えられます。
また、1966年に公開されたアメリカの映画「夜空の大空港」という作品の中に出てくる、高度1万フィート以下に降下すると爆発するという設定も、新幹線大爆破を元に考えられたと言われています。
ちなみに映画「暴走機関車」については、佐藤監督の話によると
「暴走列車」は黒澤監督が映画化することになっていたのに、アメリカのプロデューサーと黒澤監督が対立してしまい話が流れてしまった。
のだそう!!
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まとめ
「新幹線大爆破」が映画スピードに似てるのはスピードのパクリなのではなく、むしろ新幹線大爆破の方が元ネタだからでした。
そもそも1994年に公開された「スピード」に対して「新幹線大爆破」が公開されたのは1975年のことで、「スピード」よりも「新幹線大爆破」の方が、公開された年が先です。
元ネタと言われている根拠としては
「主人公たちが乗っている乗り物のスピードが落ちると爆発する」という設定が同じ
「主人公たちが犯人を騙すために、ニセの映像を用意してそれを見せる」というトリックが同じ
という2つの理由があげられます。
ただ、どちらの作品も元々は黒澤明監督が原案脚本に関わっている映画「暴走機関車」という作品を元ネタとしていることが明らかになっているので、「暴走機関車」から新幹線大爆破とスピードが生まれたとも言えそうです。